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単行本一覧

【2004.8.3以降に紹介した日本の作家による単行本の一覧(小説)】

127.仁木英之氏のさびしい女神
⇒僕僕先生も既に第4弾。仙人の僕僕先生と仙骨のない王弁の旅は続くのであった。王弁は時空を超えて古の神仙を探す。なんせ、「神仙にも旬というもの」があるらしい。さてはて、王弁の出会った女神は何故にさびしいのか。また、王弁が辿り着くものとは何か。~全文へ

126.伊坂幸太郎氏のオー ファーザー
⇒由紀夫の父親は四人いる。由紀夫と「ただ人数が多いだけじゃなかったのか」と由紀夫に言われる四人の父親が周囲で起きる事件の中で繰り広げるドタバタは、黒幕の富田林や同級生の多恵子やら友人の鱒二も加わって、さて、どのような結末になるのやら。~全文へ

125.恒川光太郎氏の南の子供が夜いくところ
⇒タカシが呪術師ユナさんに連れられて来た南の島々で起こるのは、精霊、悪霊たちが織りなす不可思議なのか、それとも、心の中に潜む夢なのか。「では素晴らしい人生とは何かね?何があると素晴らしいのだね」との問いかけも現実なのか幻なのか判らない。~全文へ

124.恩田陸さんの私の家では何も起こらない
⇒丘の上にある古い家にはたくさんの人が住み、それぞれの場所にはそれぞれの物語があった。その家では一人きりでもなんだか人がいっぱいいるような気がする。これは夢、それとも思い出なのだろうか。風の強い夜にでも読んでみるのがいいのかもしれません。~全文へ

123.伊坂幸太郎氏のSOSの猿
⇒SOSを出している猿を救出するアドベンチャー小説ではない。作品は概ね「私の話」と「猿の話」との二重構造で進んでいく。概ねと云うのは「五十嵐真の話」と云うのもあるからだ。「私」と云うのは遠藤二郎、変わった奴である。言っとくと、五十嵐真と云うのも変な奴である。~全文へ

122.仁木英之氏の千里伝 五嶽真形図
⇒天地の全てを結びつけ平穏に維持する力と全てを一新する力を有する五嶽真形図を巡る千里、絶海、バソンと玄冥、蔑収、句芒との戦いは如何なる結末となるのか。千里たち三人を導いた道士、趙帰真の思惑、千里と玄冥との関係などが絡み、思わぬ方向へと事態は進む。~全文へ

121.西條奈加さんのはむ・はたる
⇒今回は「烏金」にも出て来た孤児の勝平たちと、その勝平たちの世話をする長谷部家に帰ってきた二男坊、長谷部柾さまが主人公。彼らの過去と今現在の有り様が交錯するなかで、さてはて物事は何処に収まるのか。「はむ・はたる」は「ファム・ファタル」なのだが。~全文へ

120.荻原規子さんのRDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧
⇒舞台は高尾山に程近い鳳城学園へと移る。極端な引っこみ思案だった鈴原泉水子は、しかも、あれだけ嫌がっていた鳳城学園への進学で、どうなってしまうのか。一癖も二癖もありそうな生徒たちを集める学園の思惑とは?はじめてのお化粧の影響は如何に?~全文へ

119.宮城谷昌光氏の三国志第八巻
⇒曹操の死によって、魏は曹丕の黄初の時代に移る。後漢王朝期も終焉となった。本当の三国時代がはじまるのである。曹操、関羽、張飛、劉備が歿する。また、幾多の武将が表舞台から消えていった。曹丕、孫権、諸葛亮へと世代は移り変わっていく。~全文へ

***.宮城谷昌光氏の三国志第七巻
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118.石田衣良氏のドラゴン・ティアーズ-龍涙
⇒真島誠がいつものように活躍か。有名エステサロンや出会い部屋チェーン店とか相手にし、最後の「ドラゴン・ティアーズ-龍涙」で「世界って、どんどん安くなっていくよな?」と言いながら、中国からの研修生の話となるのです。さて、こちらの相手は?そして、龍涙とは?~全文へ

117.畠中恵さんのころころろ
⇒いつものように鳴家をはじめ妖たちが勢揃い。でも、いつもと少々違うかな。はじめての話が今頃、こんなことになろうとは。人にも神にも、抱える思いがあるものさ。ころころころろと転がる音はなんの音。「しゃばけ」シリーズ第八弾。忘れる訳にはまいりません。~全文へ

***.長野まゆみさんの咲くや このはな
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116.松山巌氏の猫風船
⇒ 「猫風船」には掌篇41篇が納められている。奇妙な風景を通り過ぎる中に掌篇「猫風船」がある。暑い夏、「うるさいから眼を開けると、眼の前に三毛猫の大きな顔がある」。陽射しが戻ってきた中で、今朝の猫たちもそうなるのかなと思ってしまう「猫風船」。~全文へ

115.恩田陸さんのきのうの世界
⇒「みんな知っていたはずだ。だけど、知らないふりをしてきただけさ」。水路が走り、奇妙な塔がたつ。そんな町の川を渡ると、丘陵に水無月橋がある。そこで起こった殺人事件。孤独な世界での事件は、ミステリーなのか、幻想なのか、あなたは迷うに違いない。~全文へ

114.伊坂幸太郎氏のモダンタイムス
⇒「実家に忘れてきました。何を? 勇気を」てなところから始まるお話は、加速度的に異様さを増していく。「誰もが自分のまわりを気にしている。警戒して、監視してる」のだ。検索すりゃどうなることやら。さて、過去の事件の真相とは、そして、国家の英雄とは一体。~全文へ

113.仁木稔氏のミカイールの階梯
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112.香月日輪さんの大江戸妖怪かわら版 天空の竜宮城
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111.仁木英之氏の胡蝶の失くし物
⇒今回の旅は、暗殺者集団「胡蝶」に追われることになる。でも、そこは僕僕先生と王弁のこと。「面白そうな匂いがどんどん強くなってくる。・・・」と僕僕先生が言えば、「自分と一緒にいる理由が、退屈しない、でも王は構わない」なんて思ってる。。「胡蝶の失くし物」とはなんでしょう。~全文へ

110.恩田陸さんの訪問者
⇒舞台は山奥の洋館、老人たちの昔話、そして映画。嵐に閉ざされた山荘に集まる朝霞一族。訪問者とは一体誰なのか。3年前に不慮の死を遂げた朝霞千沙子、その千沙子に育てられた映画監督峠昌彦の急死。二つの死の謎。昔話に謎を解く鍵が秘められているのか。 ~全文へ

109.宮部みゆきさんの英雄の書
⇒「一の鐘の響きは朗々と猛々しくなる。念歌は霧に呑まれ、万書殿の頂が、霧のヴェールを透かして姿を現す」。「二人の幼子と、一人の僧侶と、一人の魂なき流浪者の織りなす、忌まわしき命の物語」が始まった。忌まわしき命の名を「英雄」という。時には「黄衣の王」を名乗る者である。~全文へ

108.畠中恵さんのアイスクリン強し
⇒明治23年、築地の居留地近くに西洋菓子屋「風琴屋」を始めた皆川真次郎と、彼を取り巻く元若様方の溜め息混じりの活躍を描いてます。「アイスクリン強し」のほかに、「シュウクリーム危うし」などもありまして、「喋らなければ麗しくも花のごとき女学生」小泉沙羅も登場いたします。~全文へ

107.小路幸也氏の残される者たちへ
⇒<方野葉団地>、そこは「まるで、まるで、ひとつの大きな生き物みたいだった」。それが今では「ゴーストタウン」。二十数年振りの同窓会に出席したジュンチとアッキ。二人は友だちだったのか。彼らが出会った時、<方野葉団地>で何事かが動き始める。残される者たちとは? ~全文へ

106.恒川光太郎氏の草祭
⇒トロッコ列車が走り、水路を行くと文明世界は忽然と消えて野原が広がり、屋根の上を獅子舞が通り過ぎ、線路を行くと天化の宿やら幻の世界が待っている。そこにいるのはけものなのか怪なのか、はたまた人の存念か。全ては美しい山奥の「くさのゆめものがたり」なのかもしれない。~全文へ

105.仁木英之氏の薄妃の恋
⇒「僕僕先生」第二弾。王弁のもとに戻ってきた僕僕先生、またもや幸せな気分の王弁を当てどない旅へと連れ出した。勝手気ままな僕僕先生と王弁の前に現れたのが「薄妃。薄妃、その恋とは何でしょう。まァ、いつものように読んでのお楽しみと云うことにいたしましょう。~全文へ

104.北山葉子さんのぼくとポチのおかしな12人のともだち
⇒ともだちが増えるといろんなことができる。しっぽをまいて目をつぶり、わんと吠えることだってできるんだ。お月さまが帽子をかぶって降りてきたのは昔々のお話。最近はもっと何だってできるのだ。1月に紹介するのがピッタリ。気分もほんわかしてしまう。~全文へ

103海堂尊氏のひかりの剣
⇒時代はブラックペアン1988。医鷲旗大会を巡る話である。東城大学医学部剣道部主将は速水晃一、帝華大学医学部の主将は清川吾郎。この2人を中心に舞台は動く。速水と言えば、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の彼ですし、高階、田口、島津などといった面々も出てきます。~全文へ

103.伊坂幸太郎氏の砂漠
⇒東堂、南、西嶋、北村、鳥井、5人の学生を中心に入学から卒業までを描いた作品。麻雀で集まった5人、何となくノンポリ学生の怠惰な生活なのかと思っていると、そうでもない。犯罪に巻き込まれたり、超能力者までいて、最後はサン・テクジュペリの「人間の土地」に辿り着く。~全文へ

102.恩田陸さんの不連続の世界
⇒「月の裏側」の塚崎多聞が出てくる。ジャンヌの言葉が蘇る。「ねえ、あのひとたち、なんだか生死の区別がつかないみたい」。 空と時間は溶け合って不連続にうつろう。彼の浮遊感は果たして他者の不可思議ゆえなのか。不連続に思えるものは川のように連続しているのかもしれない。~全文へ

101.長野まゆみさんの左近の桜
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101.宮部みゆきさんのおそろし
⇒叔父の伊兵衛が言い出した“変わり百物語”。おちかの事情も絡み合い、何やら怪しきことが動き出します。曼珠沙華の血のように紅い花の群れの中に何が見えるのでしょうか。死者、生者、亡者それぞれの思いが交差して、「三島屋変調百物語事始」が幕を切ったのでありました。~全文へ

100.石田衣良氏の非正規レジスタンス
⇒今回は「千川フォールアウト・マザー」、「池袋クリンナップス」、「定年ブルドック」、「非正規レジスタンス」の4話です。いつものように真島誠がトラブルシューターとして活躍。「この世には見えない家族っているよな」で始まりますが、見え過ぎるマコトのおふくろもいつものように出てきます。~全文へ

99.畠中恵さんのいっちばん
⇒今回も、仁吉、佐助の兄や達、鳴家をはじめ妖たちはいつものように勢揃い。そこに幾つか事件が持ち込まれ、若だんな自身も渦中の人となることも。甘やかすばかりの兄や達、若だんながそろそろ大人への一歩の時と感じているのかもしれません。さてはて、「いっちばん」とは何でしょう。~全文へ

98.山田正紀氏のオフェーリアの物語
⇒不思議な物語です。少女リアは人形使(にんぎょうし)。人形オフェーリアは人間のふりをしているのでしょうか。そう、人間を擬態しているのです。人形が人間の心を模しているのです。旅芸人、影華と旅をしながら、リア、オフェーリアは照座御代と影歩異界とを漂うのです。~全文へ

97.大田十折氏の草葉の陰で見つけたもの
⇒「草葉の陰で見つけたもの」と「電子、呼ぶ声」の2篇が収められています。生きた生首の話は異様な光景なのですが、そこに何を感じるかは読み手次第というところでしょうか。さて、「電子、呼ぶ声」は、製造されてすでに十六年、約八ヶ月ぶりに起動した「私」の話です。~全文へ

96.荻原規子さんのRDG レッドデータガール はじめてのお使い
⇒主人公は鈴原泉水子なる中学三年生の女の子。祖父である鈴原竹臣が宮司を務める玉倉神社に預けられています。そのせいか泉水子は極端な引っこみ思案なのでした。高校進学を巡り、話は意外な方向へ。レッドデータガール、そして、はじめてのお使いとは何でしょう。~全文へ

95.小路幸也氏のスタンド・バイ・ミー
⇒このシリーズ、下町の風情が出ていて、なかなか楽しい作品です。毎回、様々な事件が起きますが、そこは古本屋「東京バンドワゴン」の家訓「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」なんてことでして、今回も4つの事件が起こります。~全文へ

94.小路幸也氏のモーニング(Mourning)
⇒真吾の葬儀で福岡に集まった彼らは、同じ大学でバンドを組み、同じ屋根の下に4年間住んでいた。既に45才、卒業後は殆ど集まっていない。淳平の「自殺するんだ」と云う一言で、ロングドライブが始まる。20何年間前の日々を思い出す4人。淳平の自殺の理由とは。~全文へ

93.山口芳宏氏の雲上都市の大冒険
⇒標高1150メートルにある東北の四場浦炭鉱。そこは雲上の楽園という表現がぴったりの場所だった。そこで起こる奇怪な事件。事件に挑むしがない弁護士、殿島直紀と何やら怪しげな雰囲気を醸し出す二人の探偵。彼らは果たして謎を解き明かせるのか。~全文へ

92.石田衣良氏の夜を守る
⇒増井信という老人と出会ったことから、川瀬繁、橋本直明、服部要、岡田由紀夫の4人は、アメ横界隈の夜を守ることになった。それが、福島なまりのイケメンやらストリートネーム付けてもらって喜ぶヤクザさんとか色んな事件に巻き込まれるのでありました。~全文へ

91.五十嵐貴久氏の相棒
⇒ここまで奇想天外だと、それはそれで清々しいとも言えるのではないでしょうか。多分、土方なら「そんな馬鹿な話があるか」と怒鳴る。「ほにほに。じゃが、大法螺はまっこと気持ちがええもんじゃ」と龍馬が言い、「おいにはわかりもうさん」と西郷どんが言うのかも。~全文へ

90.恩田陸さんのいのちのパレード
⇒幻想の世界へ徐々に引き込まれていって、最後にSF的な味わいが残る短編集。「観光旅行」から始まって全部で15篇。最後辺りの「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで 」、「いのちのパレード」、「夜想曲」を続けて読むと何だか別の世界が見えてくるような気がする。~全文へ

89.筒井康隆氏のダンシング ヴァニティ
⇒これは美術評論家、渡真利の人生なのか明晰夢なのか。それとも他者の夢なのか。リフレイン、リフレイン。この人生はリフレインしながら進んでいく狂気の世界。誰の夢か判らぬままに、ふくろうが歌い、ソフトブリーズが歌い、コロスが歌うは「ダンシング・アウル」。~全文へ

88.伊坂幸太郎氏のゴールデンスランバー
⇒青柳雅春は金田貞義首相暗殺犯に仕立て上げられる。舞台は仙台、岩手じゃない。嫌なことに監視社会をメディアが煽動する。これじゃ何だって出来てしまう。さて、その青柳がどうなるかは読んで頂くと致しましょう。伊坂氏だけに通常の終わり方じゃございません。~全文へ

87.万城目学氏のホルモー六景
⇒あの「鴨川ホルモー」の続編(?)が出たのです。帯に「今度は恋だ」と書いてあるように、時代を超え、空間を超えたホルモーの周辺で巻き起こる恋の物語でございます。いまさら、ホルモーとは何かなんて言いませんが、まァ、この味付けがあればこその外伝でしょうかねェ。~全文へ

86.海堂尊氏の夢見る黄金地球儀
⇒時は2013年、場所はお馴染みの桜宮市。優柔不断を絵に描いたような平沼平介の身に騒動が巻き起こる。馬鹿馬鹿しいことに桜宮市が1988年に1億円で作った黄金の地球儀を巡る大騒動。。「ジハード・ダイハード」はいいけれど、「雪見イチゴ強奪作戦」は果たしてどうなることやら?~全文へ

85.恒川光太郎氏の秋の牢獄
⇒「秋の牢獄」には、「秋の牢獄」、「神家没落」、「幻は夜に成長する」の三篇が収められている。「夜市」で子供の頃に見た幻のような、déjà vuの世界へと誘われ、「雷の季節の終わりに」で異界へと引き込まれた我々は、遂に11月7日に連れてこられてしまったのか。そこは今までとはまた異質な世界。孤独へと繋がるのか。~全文へ

84.海堂尊氏のブラックペアン1988
⇒グッチーこと田口公平が学生の時代、東城大学医学部総合外科学教室の主催者は佐伯清剛教授であった。帝華大学第一外科教室から着任した高階講師と佐伯教授との不穏な関係、渡海征司郎の不可解な行動。話は1988年の手術へと進んでいく。ブラックペアンとは?~全文へ

83.畠中恵さんのつくもがみ貸します
⇒生まれて百年を経ると『付喪神』になるものもあるのだねぇ。お紅と清次の姉弟が営む出雲屋は深川の古道具屋兼損料屋。そこに大層立派な付喪神が集まった。何とも頼りない若い二人と文句を言いつつ心優しい付喪神たち。千々に乱れる心と心。金じゃ人の幸せは買えやせぬ。~全文へ

82.香月日輪さんの大江戸妖怪かわら版 封印の娘
⇒さて、この物語の大江戸は、江戸は江戸でも一ツ目に三ツ目、鬼面に獣面などなど奇奇怪怪な別世界。妖怪都市なのでありました。かわら版屋で働く雀は唯一の人間。人気のかわら版を書いている。何故に雀がいるのか、何が起きるのかなんぞは、読んでみておくんなせぇ。~全文へ

82.香月日輪さんの大江戸妖怪かわら版 異界から落ち来る者あり
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81.宮城谷昌光氏の三国志第六巻
⇒華北を全て支配し、荊州を手に入れることとなった曹操の軍は、周瑜や魯粛の言により会戦を決めた孫権や荊州を脱出した劉備の同盟軍と赤壁に於いて激突する。「赤壁の戦い」である。諸葛亮の登場、周瑜や黄蓋の活躍、荊州南部での劉備の南徇、まさに三国鼎立前夜である。~全文へ

80.早瀬乱氏の三年坂 火の夢
⇒大火の中を疾走する俥曳き。「これは全て夢か?」、三年坂で俥夫は囁くように言った。内村実之は父と兄の謎を追う。その鍵は「三年坂」。三年坂と火の夢が交互に現れるように高嶋鍍金もまた大火の謎を追っていた。二つの線は何処かで交わるのか。そして、謎は解明されるのだろうか。~全文へ

79.宮部みゆきさんの楽園
⇒前畑滋子のもとへ持ち込まれた不思議な依頼。過去の事件の傷に触れるような調査、それは新たな事件へと繋がっていく。殺された少女の実態は? 最近の世相を背景に、滋子は次第に凶悪な何者かへと迫っていく。様々な人々の記憶が行き交うなか、滋子は何を見つけ出すのだろうか。~全文へ

78.恩田陸さんの木洩れ日に泳ぐ魚
⇒「木洩れ日に泳ぐ魚」、これも記憶の断片なのだろうか。。「たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう」で始まる物語は、記憶の断片に反射する光のように散らばる。触れ合うようで、何処にも接点のない恐怖。非日常的な状況が記憶の訪れとともに日常的な冷酷さに浸されていく。~全文へ

77.西條奈加さんの烏金
⇒しがない金貸しを生業としている業突く婆、お吟のもとへ、勘左と云う烏とともに舞い込んだ浅吉。なかなかの働き者、気働きも良い若い衆だが、何やら訳ありの様子。お武家に町人、色んな借金問題を解決していくのだが、さてはて、浅吉とは一体何者なのだろうか。そして、その結末とは…。~全文へ

76.小路幸也氏のシー*ラブズ*ユー
⇒「東京バンドワゴン」の続編である。あの下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台に、「堀田勘一」一家がまたもや繰り広げる事件解決の物語。なんて書くと、大変な事件かと思うでしょうが、そうでもない。堀田我南人がいつも言うように「LOVEだねぇ」てなお話なんだな、これが。~全文へ

75.奥田英朗氏の家日和
⇒幾つかの家が登場しますが、題名からはどんな家かは分かりません。「サニーディ」、「ここが青山」、「家においでよ」、「グレープフルーツ・モンスター」、「夫とカーテン」、「妻と玄米御飯」の計6つの家が語られています。ほ~そんなものかいと恐れ入ったり、納得したり、まァ、世の中様々に笑えます。~全文へ

74.万城目学氏の鴨川ホルモー
⇒ホルモン焼きの話ではない。知る者だけが知り、伝える者だけが伝え、京都に脈々と受け継がれてきたのが「ホルモー」なのである。そこには題名や表紙からは窺い知れない世界が展開されていく。さてはて、いよいよ「ホルモー」について語られるときがきた。一種独特のたるさがとても好い。~全文へ

73.京極夏彦氏の前巷説百物語
⇒所詮は小股潜りが御行乞食となりて「御行為奉」。そう、所詮この世は夢幻。人の真実は、その人の中にしかないのです。在って欲しいもの、在るべきだと考えられるものが、ないのに在る外の巷は夢、この世は全て幻のようなもの。その巷にりんと鈴の音がして、又市の話が始まったのです。~全文へ

72.佐藤亜紀さんのミノタウロス
⇒主人公はロシア農村地帯に生まれた次男である。一文無しのどん百姓の小倅と云う訳ではない。ある程度の知能を有するが、自らを「本質的にけだもの」だと思っていた。彼はロシア革命後の混乱と云う迷宮に放たれる。これを虚無と呼ぶのだろうか。いずれにせよ、驚くべき作品である。~全文へ

71.畠中恵さんのちんぷんかん
⇒「しゃばけシリーズ」第六弾。「己も兄も皆も、いつまでも、昨日と同じではいられない」。心を震わせ乱す若だんな。仁吉、佐助の兄や達は甘やかし、鳴家たちは「きゃわわわ-」と慰める。次の日には今まで思いもしなかったことが、待っている。幸も不幸もあるものの、何が幸に転じるか分からない。~全文へ

70.石田衣良氏のGボーイズ冬戦争
⇒IWGP第七弾。「人は変わる。誰にもそれをとめることはできない」そうだ。ふたつに分かれてしまった世界を描く「要町テレフォンマン」から、「幽霊を見たことがあるかい?」なんて唐突に問われる「Gボーイズ冬戦争」まで話は軽快に飛んでいく。幽霊やら影やら蠢く中、マコトとキングはどうするのか。~全文へ

69.恩田陸さんの朝日のようにさわやかに
⇒W・Mがトランペットで奏でる「朝日のようにさわやかに」。ダークグリーンのグロールシュの壜。緑色のタイル。緑の壁。そして想像と真実との乖離。音は奇妙な伝わり方をし、朝露のように現実と幻の間を通り過ぎていく。そんな不思議な感覚の「朝日のようにさわやかに」のほか短編14篇が収められている。~全文へ

68.海堂尊氏のジェネラル・ルージュの凱旋
⇒「チーム・バチスタの栄光」シリーズ第三弾。田口、白鳥、姫宮勢揃い。ジェネラル・ルージュの伝説が次第に明らかになっていく。救命救急センターの速水部長は、モニタ画面に囲まれて何を考えていたのか。リスクマネジメント委員会やエシックス・コミティはどう動くのか。それは「ひ・み・つ」ですよ(笑)。~全文へ

67.宮部みゆきさんのドリームバスター4
⇒D・B仲間のマッキーを救出に行ったシェンとマエストロ。時間炭鉱に残ったシェンはどうなるのか。そこで出会ったヒロム、キエ、ユキオやマッキーの運命は如何に。また、真紅のドレスの女は一体誰なのか。そして、マエストロにも分離系二重身現象が発生してはいないのだろうか。~全文へ

66.万城目学氏の鹿男あをによし
⇒おれは少々神経過敏と教授に言われ、奈良の女子高へと臨時教師でいくことに。奈良では当然ながら鹿登場。京都、大阪からは狐に鼠もご登場。「さあ、神無月だ-出番だよ、先生」と言われても、おれはどうしたらよいのやら。本当に日本を救えるのだろうか。それは読んでのお楽しみ。~全文へ

65.筒井康隆氏の巨船べラス・レトラス
⇒文学にはこう云う使い方もあったんだ。「現代日本文学の状況を鋭く衝く戦慄の問題作!」。巨船べラス・レトラスは「今のところは霧の中」、誰も「どこへ行くのかよく知らないんですよ」。文化的ミームだろうがなんだろうが、まァ、読んでみて下さい。いやはや全く、「はのへの すっぽん」でござる。~全文へ

64.伊坂幸太郎氏のフィッシュストーリー
⇒この本には「動物園のエンジン」、「サクリファイス」、「フィッシュストーリー」、「ポテチ」の4つの話が収められている。懐かしい人物に会えたような作品や似た人を思い出す作品のなか、売れないロックバンドが歌う『僕の孤独が魚だとしたら…』から不思議な物語が紡ぎ出されていく。~全文へ

63.海堂尊氏の螺鈿迷宮
⇒「チーム・バチスタの栄光」、「ナイチンゲールの沈黙」に続く第三作。舞台は碧翠院桜宮病院。「桜宮は花盛り、あおい(葵)、すみれに白百合の花・・・」なんて唄が流れるなか、またしても「火喰い鳥」こと白鳥圭輔が出てくる。遂に「氷姫」こと姫宮も登場する。この怪異な事件は結末を迎えるのか。~全文へ

63.海堂尊氏のナイチンゲールの沈黙
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63.海堂尊氏のチーム・バチスタの栄光
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62.仁木英之氏の僕僕先生
⇒唐の時代、しかも玄宗皇帝全盛期を背景に、登場するのは親の資産に安住し、何もやる気のない王弁と十代半ばにしか見えない少女の姿の仙人、僕僕先生。この二人の旅の行方は何処やら。僕僕曰く「これは高い酒だぞ。飲もう飲もう」。何かありそうでなさそうな気もするが、好いな。~全文へ

61.恒川光太郎氏の雷の季節の終わりに
⇒「夜市」の世界へとまた誘われる。そこは「風わいわい」のいる世界。うつしよと雲海の楽園との曖昧な境界なのか。そこは「穏(おん)」。雷季、雷の季節のある土地。雷鳴、稲妻のなかで何が行われているのか。つきまとうトバムネキ。賢也にとって、やがて新しい季節は訪れるのか。~全文へ

60.宮城谷昌光の三国志第五巻
⇒多くの者が三国志の舞台から消えていく。曹昂、袁術、呂布、陳宮、高順、公孫瓉。そして、孫策も。二十六歳という若さであった。曹操と袁紹は官渡にて対峙し、袁紹は大敗する。淡々とした宮城谷氏の描写によって、却って三国志の興奮が身にしみ、戦場の風の色が目に浮かぶ。話は赤壁の戦いへと、どう動いていくのか。~全文へ

59.五十嵐貴久氏のパパとムスメの7日間
⇒ムスメと云うのはオヤジにとって可愛い半面、不可思議な存在なのだ。そんな存在と入れ替わる。こんな設定は前代未聞。どう考えても冷静ではいられないような気がします。冴えないサラリーマンの川原恭一郎47歳と、多分、普通の高校二年生の川原小梅16歳、こんな二人の人格が入れ替わる。この事件、どう展開していくのやら。~全文へ

58.津原泰水氏のブラバン
⇒弦バスにエレキベースの他片等(たひらひとし)が語るブラスバンド部の物語。高校時代の思い出と大人になった彼等の現実が交錯する。「短六度違いの二つ(の音)が重なると、合っていないはずなのにときどき合っているようでもある」、「ひどく奇妙なんだけど出鱈目とは思えない、なんとも不思議な響き」となったような物語。≪オネスティ≫が流れる。~全文へ

57.宮城谷昌光氏の三国志 第四巻
⇒次第に主役の顔ぶれが変化していく。孫堅が死に董卓が誅殺される。袁紹、袁術、劉表、公孫瓉、陶謙等は虚々実々の争いを繰り広げ、曹操は着実に実力を付けつつある。また、劉備は陶謙の死によって小沛より徐州に入る。偽善を嫌う曹操は、独りで征くと云うことになるのか。献帝が長安を逃れ、洛陽へと向かった。建安元年(196年)となる。~全文へ

56.石田衣良氏の灰色のピーターパン(池袋ウエストゲートパークⅥ)
⇒「池袋ウエストゲートパーク」はいつ読んでも表面を薄く切り取った鉱物の見本みたいで不思議なネバーランド。「女の目は明るい黄緑」なんて色彩は分かるが、「街を歩いていて、野獣と出会ったらどうする?」なんて聞かれてもなァ。全て明快なんてことはないように、全て清潔なんてこともあり得ない。~全文へ

55.小路幸也氏の東京バンドワゴン
⇒「東京バンドワゴン」、明治から続く下町の古本屋。古本屋でバンドワゴンなんて、かなりのへそ曲がりである。伝説のロッカーや美人やら、ついでに幽霊もいる大家族。ミステリー仕立てではあるが、のんびりとして人情味のある話はなかなかに気持ちがいい。~全文へ

54.伊坂幸太郎氏のチルドレン
⇒短編「バンク」、「レトリーバー」、「イン」は陣内、鴨居、永瀬、優子、ベスの過去の事件、「チルドレン」、「チルドレンⅡ」は家庭裁判所調査官である陣内、武藤の出来事となっている。何気なく何かを思い出すような、「特別な時間」にいるような感覚。~全文へ

53.浅田次郎氏のあやし うらめし あな かなし
⇒「あめふらし」を読んで暫くしたところで、「あやし うらめし あな かなし」に出会う。すうっと傍らを過ぎていくような怖さをもつ「あめふらし」のあとに、人の情の青白い炎に背筋の寒くなるような本作品。奇っ怪な話が行き交うとき、何かが起きるのかもしれない。~全文へ

53.長野まゆみさんのあめふらし
⇒妖怪に「なみはぎ」と云うのがいる。そいつに声をかけられると、自分が自分ではないような気になり、最後には誰なのか全く判らなくなるらしい。この作品に出てくるのは「あめふらし」。これはこれで、じっと考えると相当に恐ろしい。~全文へ

52.飯嶋和一氏の黄金旅風
⇒時は江戸時代。鎖国以前、貿易都市の長崎を舞台とした「黄金旅風」。秀忠から将軍家光へと権力が移りゆくなか、長崎を取り巻く情勢は大きく変化していく。そのなかで、放蕩息子と南蛮斬りの二人、末次平左衛門と平尾才介はどのような夢を描くのか。~全文へ

51.畠中恵さんのうそうそ
⇒さてはて、「しゃばけ」シリーズ第五弾。寝付いてばかりの若だんな。今度も寝たり起きたりかと思いきや、何と箱根に湯治と相成った。妖の兄や達、仁吉、佐助も一緒だが、果たして無事に帰ってこれるのか。「明日のことは、分からぬ方が面白かろうに」かな。~全文へ

50.奥田英朗氏の町長選挙
⇒今までの患者に明確なモデルはいなかったのですが、「オーナー」、「アンポンマン」、「カリスマ稼業」に関しては、何だか何処かにいるような、なんてもんじゃない。最後の「町長選挙」。伊豆半島の沖合いにぽつんと浮かぶ「千寿島」。これにも何かモデルがあるのかなァ。まァ、「とりあえず注射打っちゃおうか。ぐふふ」ということで、伊良部一郎先生を楽しんで下さい。~全文へ

49.恩田陸さんのチョコレートコスモス
⇒恩田陸さんもまた多才である。こんなジャンルの作品もあるのかと驚いている。しかも、読み始めたら止められなかった。舞台の上の緊張感、そして鳥肌の立つような女優の演技。これを映像にするのは大変だろう。男の方はと言えば、何にでもなれる女性達とはまるで違って、所詮は観客でしかない。~全文へ

48.宮部みゆきさんのドリームバスター3
⇒待たされること3年。D・Bの少年シェンとマエストロの冒険再開。凶悪な死刑囚が意識だけの存在になって、人類の頭のなかに逃げ込んだ。その凶悪犯を追う賞金稼ぎがD・B(ドリーム・バスター)って訳だ。今まで書かれていなかったことも次第に明らかになってくる。しかしなァ、「時間炭鉱」が…、またしても気になるところとなりました。~全文へ

47.畠中恵さんのアコギなのかリッパなのか
⇒そう、これはファンタジーなのです。政界には、妖、妖、妖がいっぱい、なんてね(「しゃばけ」シリーズじゃございませんが)。でも、この妖、尋常な妖じゃございません。色々な事件(?)を事務員である佐倉聖君が解決するのではありますが、元大物国会議員大堂剛は狸の妖だったとか云う話になるのかも。~全文へ

46.山田正紀氏の早春賦
⇒幕府によってもたらされた大久保長安「石見陣屋敷」の一族郎党と八王子千人同心達との戦い。その渦中に巻き込まれた風一、林牙、火蔵、山坊たち。その胸中には「青々として清冽なものが一瞬のうちに体のなかに満ちる」ような感覚があった。~全文へ

45.西條奈加氏の金春屋ゴメス
⇒21世紀初頭、日本からの独立を宣言した江戸に辰次郎はやってくる。身請け先「金春屋ゴメス」のもとで「鬼赤痢」事件を解決することとなるが、江戸を揺るがす大事件、さてはて如何相成るや。辰次郎のほかに江戸入りした松吉、奈美も加わって、話は核心へと進んでいく。~全文へ

44.伊坂幸太郎氏の陽気なギャングが地球を回す
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43.津原泰水氏のアクアポリスQ
⇒人格希薄化(パーソナリティペーリング)現象に覆われる日本。そのQ市内、海上に浮かぶ「アクアポリス」で何かが起ころうとしている。「自我が偏在するように、死もまた偏在」する世界で、タイチは如何に…。クライマックスへ向かって事態は大きく展開していく。~全文へ

42.恩田陸さんのエンド・ゲーム 常野物語
⇒「オセロ・ゲーム」の続編である。「蒲公英草紙 常野物語」とは全く趣を異にする。「祝宴となるのか、弔いとなるのか」と思っていた拝島暎子は「裏返される」。娘の時子は「あの日以来、母が自分に重なってきているのを強く感じる。母の感じていた恐怖が…」~全文へ

41.山田正紀氏のマヂック・オペラ
⇒映像の中にはドッペルゲンガー。そこは「猫町」の世界。「現実の世界ではなくつて、幻燈の幕に映つた、影絵の町」、「一寸したバランスを失つても、家全体が崩壊して、硝子が粉々に砕けてしまふ」。二・二六事件とN坂殺人事件が奇妙に重なっていく。~全文へ

40.筒井康隆氏の銀齢の果て
⇒あの「敵」 に於いて老いの精神的崩壊を描いてから8年、それは「シルバー・バトル」へと昇華した。こんな形に持っていくなんて! 筒井康隆氏にしか出来ません。「ほいだらうけたか」などと叫んでしまう。~全文へ

39.伊坂幸太郎氏の魔王
⇒「安藤」は、漠たる不安に対して、ある種の力を頼りに戦う。「父さん、魔王が今、僕をつかんでいるよ」(シューベルトの「魔王」)と感じながら、一人空を見上げる。また、希少猛禽類の調査をする弟「潤也」は「空に溶ける」オオタカに兄の姿を見る。~全文へ

38.田口ランディさんのひかりのメリーゴーラウンド
⇒「上倉まゆ」の中学生最後の夏の物語。世界があまりに美しく優しく、この瞬間がかけがえのないすばらしいものに思えていた、あの頃。でも、あのころに見えたものはもう見えない。もう、私たちは、あの夏の日には戻れないんだ。~全文へ

37.恒川光太郎氏の夜市
⇒岬の森の中で今宵は夜市が開かれる。学校蝙蝠がそう告げた。やがて夢は現実へとすりかわるのか、本当に? 少年時代の夏。「これにて旅は終り、帰路がはじまる」ときの複雑な心理。「風の古道」も素晴らしい。~全文へ

36.伊坂幸太郎氏の死神の精度
⇒昔から、死神の相場はこんなところなのかもしれない。「余計なことはやらない」し、「どの人間がいつ死のうが、興味がないのだ」そうだ。クールな死神。彼には単なる手続き。「死」とは関係なく、映画の言葉は巡り、音楽は流れる。天使は図書館に集まり、死神はCDショップに集まるのだそうだ。~全文へ

35.森福 都さんの狐弟子
⇒この本も「長安牡丹花異聞」同様、唐代の奇譚集。ふっと、この本に出会えたのは「碧眼視鬼」の幽鬼たちの仕業だろうか。その幽鬼たちよりも凄まじきものを生身の女性の執念が見せてくれる。~全文へ

34.恩田陸さんのネクロポリス
⇒今年の「アナザー・ヒル」はなんだかおかしい。「これまでにない変貌期」、「知らずに済んだことまで知らなければならない時代になってしまった」なかで、「アナザー・ヒル」はどうなるのか。本の世界だけでも不思議な国へ行ってみましょう。~全文へ

33.浅田次郎氏の憑神
⇒時代は変化していく。でも、その中で変わらないもの、残さなくてはならないものもある。そんな話が「憑神」である。」。「徳川の世は終わる。おそらく八百年の武士の世も」。しかし、それでも忘れてはならぬことがあるのだ。~全文へ

32.奥田英朗氏のララピポ
⇒全て事件でございます。しかも、それぞれ何処かにおりますね。「いや~ん、お下劣。」「紳士淑女のみなさまにはお勧めできません」てな内容なんですよ。奥田さん、非情に非常にうまい。~全文へ

31.北野勇作氏の空漠
⇒獏のなかにある不安が発生したとき、とてつもない悪夢へと進んでいくことになるのです。獏のなかに発生した不確定要素が消し去られるまで何度でも。悪夢は軽く、くだらなく、そして醜悪に続くのです。~全文へ

30.石田衣良氏の東京DOLL
⇒「東京DOLL」の始まりは、「夜のコンビニは灯台だった」。ゲーム「女神都市」のMG、相楽一登は、その灯台でDOLLを拾う。水科代利(ヨリ)。「モデルになってくれないか」。それは相楽の人生を変えていく一言。濃紺のタトゥの翼を持つ少女は、DOLL?妖精?天使?~全文へ

29.逢坂 剛氏の逆襲の地平線
⇒そうなのですよ。なかなかに気の強い娘、ジェニファ・チベンデイル、賞金稼ぎのニヒルな男、トム・B・ストーン、謎の日本人、サグワロの三人がまたまたやって参りました。今回のお話は賞金稼ぎじゃないんだな。どんな仕事になるのやら。コマンチにさらわれた娘エミリを探して延々と、大変な道中が待っていそうな気配です。状況は非常に悪い。彼らはエミリを助け出せるのか。~全文へ

28.畠中 恵さんのおまけのこ
⇒きゃわきゃわと騒ぐ鳴家に誘われて、やっぱり覗く「おまけのこ」。いつものように若だんな、寝込んでいるか病み上がり。妖の兄や達は甘やかす。「若だんな、無茶をしないでおくれよ」、屏風のぞきまでが優しげに。それでも、外に出たい若だんな。気持ちが良いのに、妙ちきりん。そんな胸の騒ぎを留めておけたらいいのにな。~全文へ

27.奥田英朗氏のサウスバウンド
⇒上原一郎は「元過激派で、今はアナーキスト」だそうだ。でも、強要はしない。自由を愛している。こんな男は男で好いじゃありませんか。波照間、西表島、そして別の島へと、彼の言うところの「反権力的な“スローライフ”の実践」を求める。~全文へ

26.陳 舜臣氏の曹操残夢
⇒曹操は最後に「天下はなお未だ安定していない」と言った。その曹操亡き後の魏王朝の滅亡に至るまでの話である。三国志では蜀を中心とした話が多い中で、曹一族を中心に書かれた本書は珍しい部類に入るのだろう。~全文へ

25.藤崎慎吾氏のハイドゥナン
⇒南西諸島の沈没は人類全滅に繋がっていくのか。「地球の生物は過去、悪徳の横行などで神の逆鱗に触れ、洪水や火山噴火によって三回滅ぼされている。…我々は現在、第四の世界に生きているが、次の絶滅に向けた準備はすでに始まっている」と云うことなのか。学者たちは、その科学の力の上に岳志、柚の力を借りる。果たして、人類の未来は…~全文へ

24.宮部みゆきさんの孤宿の人
⇒丸海藩に闇が訪れる。非道をなした加賀殿がやってくる。不吉な兆しを引き連れて。人は心に恐れを抱くとき鬼を見る。心に闇を宿すとき自らも鬼になる。しかし、鬼だ、悪霊だと言われる加賀殿は、「儚く空しく、卑しい人の身」。加賀殿は「ほう」に「よく習いなさい」と言った。「ほう」は決して「阿呆」の「ほう」ではない。「雨は誰の頭の上にも同じように降りかかる。しかし、降り止まぬ雨はない」。~感想へ

23.恩田陸さんの蒲公英草紙 常野物語
⇒子どもの頃の記憶、昔の記憶、遠い世界を振り返らせてくれる、少女の目を通した記憶のファンタジー。「みんな一緒に作っていくんだよ。そうでしょう」と語らせる本書はとても日本的で素敵だ。「時代にはそれぞれの色があり、空気の重さが異なります。」と少女は語る。胸の奥をすっと触られたような奇妙な感覚に、「懐かしさと切なさ」を感じるのは何も帯の文章を書いた人だけではないでしょう。~感想へ

22.田口ランディさんのドリームタイム
⇒この話にも「死んだ人間は怖くありません。生きている人間のほうがよほど恐ろしいものです」なんて書いてある。私小説のような非現実的なようなどちらとも言えない雰囲気は、まさにドリームタイム。夢と現実とが交差する。その刹那に私の自分に対する執着心が露呈する。怖い話ではない。「覘き小平治」とは正反対。~感想へ

22.京極夏彦氏の覘き小平次
⇒生きているのに「生きていないようなもの」てえ存在は恐ろしい。五臓六腑にまで冷気を感じて堪えられない。小平治のまわりに徘徊する魑魅魍魎のような男と女、考えただけでぞっとする。名と実に裂け目の入った人間たちの現の世の怪談話。ほんに人は怖いもの。~感想へ

21.浅田次郎氏の天切り松闇がたり4昭和侠盗伝
⇒時は平成と相成り、天切りの松こと松蔵もかれこれ八十年の盗ッ人家業。さァ、ここに天切りの松がいると思いねえ。義賊、目細の安吉が一門の心意気、その闇がたりでとっくと聞かせてもらいやしょう。おっと、後ろのほうの若え衆も話にお入りなさんし。時は満州事変前後の話と思いねえ(背景は「シネマ見ましょか、お茶飲みましょか、…」てえ流れる雰囲気だ)。~感想へ

20.谷川俊太郎氏の二十億光年の孤独
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19.山田正紀氏の神狩り2 リッパー
⇒「『神』はすなわち『隠れた神』であって、人間の脳構造、視覚構造は-遺伝的に-神を見ないように作られている」一方、「“現実”の外部のどこかに、…一望監視装置(パプテイコン)がはるかに聳えたっているのだろう」。「触れてはならないものに」に触れてしまったとき、「『神』が許せない」こととなるのか。「神狩り」から30年、この本は「カッコいいSF」だ。極めて面白い。~感想へ

18.浅暮三文氏の悪夢はダブルでやってくる
⇒こんな本を読みはじめたとき、あなたはふと考える。①突然だが、電子レンジに本を投げ込む②出版社に電話して引き取ってもらう③已むを得ないので、最後まで読んだあと、燃やす さァ、あなたはどうするでしょうか。私は「どうも振ったサイコロの目が7」だったようです。~感想へ

17.草浅田次郎氏の草原からの使者
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16.石田衣良氏の池袋ウエストゲートパークⅤ反自殺クラブ
⇒前回のⅣ(電子の星)が2003年11月30日だったから、1年4ヶ月ぶりのIWGPだ。真島誠もアキハバラに引っ越したかと思っていた。でも、やっぱり池袋西一番街の果物屋の奥にすわってたんだ。この世相の傷をすっと削いでいくような軽いタッチには敵わない。~感想へ

15.浅田次郎氏の霧笛荘夜話
⇒この話の感想を書こうか、どうしようかと悩んでいた。ふと寂しくなるような夜、こんな話を思い出すのはね…
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14.宮部みゆきさんの日暮らし
⇒さァさ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、鉄瓶長屋で大活躍の面々の登場だぃ。木戸銭がたけぇ、そんな野暮なことは言いこなしだよ、江戸っ子だろう。なかにゃ、お上に追われた幻術一座も現れるてぇ寸法だぃ。~感想へ

13.工藤直子さんのはらうた
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12.石田衣良氏のアキハバラ@DEEP
⇒アキハバラ、感覚いいよね。表面は疲れた店員たち、黙々と歩くオタクたち、その間を様々なエネルギーが流れ「テクノロジーのアーカイブ」であるアキハバラ。このカオスが何とも言えない。~感想へ

11.畠中恵さんのねこのばば
⇒段段降りたら商店街。古い本屋に入ってみると、なんと「ねこのばば」が見つかった。探してたんだ「しゃばけ」 「ぬしさまへ」に続く「ねこのばば」。~感想へ

10.宮城谷昌光氏の三国志三巻
⇒天下が倒懸される。政治と戦とを取り違えた張温。優柔不断の何進。袁紹の次善の策とも言えぬ謀計。時代の趨勢に取り残された皇甫嵩。腐臭を放つ王朝の断末魔に歴史は耳を貸さない。~感想へ

9.宮城谷昌光氏の三国志二巻
⇒現実にふれるのを恐れつづけた桓帝(第十一代皇帝)によって、後漢はその耳目を失い、幼稚さを払拭できない霊帝(第十二代皇帝)によって、その権威を失う。~感想へ

8.宮城谷昌光氏の三国志一巻
⇒久々の宮城谷昌光氏の作品である。今まで春秋・戦国時代が中心であったが、遂に「三国志」。「三国志」には原本として「三国志演義」や「通俗三国志」などがあるが、多分、全く趣の違う作品となるに違いない。~感想へ

7.畠中恵さんのぬしさまへ
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6.小川洋子さんの博士の愛した数式
⇒美しい…、本を開いた瞬間から…~感想へ

5.畠中恵さんのしゃばけ
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4.石田衣良氏のブルータワー
⇒石田衣良氏曰く「物語には商売にならなくても想像力が大切、今こそSF、ファンタジーを書く」。これは素晴らしい。是非お願いしたい。石田衣良氏は現実から空想の世界への膜をまさに破ろうとしているのだろう。~感想へ

3.竹内真氏の図書館の水脈
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2.奥田英朗氏のイン・ザ・プール
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1.筒井康隆氏の残像に口紅を
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【2004.8.3以降に紹介した海外の作家による単行本の一覧(小説)】

15.やんごとなき読者(Alan Bennett)
14.魔法の館にやとわれて(Diana Wynne Jones)
13.宇宙への秘密の鍵(Stephen & Lucy Hawking)
12.うちの一階には鬼がいる!(Diana Wynne Jones)
11,オリュンポス(Dan Simmons)
11.イリアム(Dan Simmons)
10.海駆ける騎士の伝説(Diana Wynne Jones)
9.バビロンまでは何マイル(Diana Wynne Jones)
8.リングワールドの子供たち(Larry Nieven)
7.アゴールニンズ(Jo Waiton)
6.メネッティさんのスパゲッティ(Kees Leibbrandt)
5.大佐の写真(Eugène Ionesco)
4.バウンダーズ(Diana Wynne Jones)
3.呪われた首環の物語(Diana Wynne Jones)
2.時の町の伝説 (Diana Wynne Jones)
1.ドクターヘリオットの犬物語 (James Herriot)

【2004.8.3以降に紹介した単行本の一覧(その他)】

15.宇宙旅行シュミレーション(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)
14.RoboZak
13.口コミ2.0(上原仁氏、保田隆明氏、藤代裕之氏)
12..科学の常識が面白いほどわかる本(ガリレオ工房)
11.プルートウ(PLUTO)03(浦沢直樹氏)
10.転落の歴史に何を見るか(斎藤健氏)
9.素数ゼミの謎(吉村仁氏)
8.「駅すぱあと」風雲録
7.マチともの語り作品集Vol.1福岡
6.新しい現実(Peter F. Drucker)
5.三省堂名歌名句辞典
4.タレント力(眞邊明人氏)
3.シネマ キッチン
2.荷風とル・コルビュジェのパリ (東秀紀氏)
1.学術用語集動物学編

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