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March 2008

雲上都市の大冒険

今週末は義父の葬儀で山梨へ行っていた。通夜には間に合わなかったが、10時頃には何とか着くことが出来た。満天の星だった。翌日は、山登りの好きだった義父の葬儀に相応しく、八ヶ岳、南アルプス、富士山がくっきりと見えた。義理の弟などが、義父を悼んで短歌などを詠んでいた。私も歌を考えてみたが、おちゃらけになりそうなので止めた。何だか直截の表現は嫌いなのだ。「春の風 廻り廻るや 甲斐の峰」までならまだ良いのだが、その後に「涙ぐむ目は 花粉症なり」とかどうせ続けてしまうのだ。「おうさ、そんなもんだ」と言う義父の声が聞こえるような気がする。写真(下に有り)を撮っている場所も標高1000メートル程であるが、義父はこれからも山々を駆け巡っていることだろう。

中身は全く違うが、題名が何となく相応しいので、山口芳宏氏の「雲上都市の大冒険」(2007年10月15日初版、東京創元社)でも紹介しよう。

…後日につづく(葬儀と4年ぶりの車の運転で相当に疲れた。続きは後日書くことに致します)

さてと、先週疲れて途中だった「運上都市の大冒険」の続きを書くと致しましょう。Yamagutii01しがない弁護士、殿島直紀が呼ばれたのは標高1150メートルにある東北の四場浦炭鉱。そこは「その周囲には四場浦連峰の山影が見える。街と連峰の深い谷間には、うっすらと雲海が広がっている。まるで街全体が、雲の上に浮いているようだ。なるほど、〝雲上の楽園"という表現がぴったり」と云う場所だった。その地下牢から忽然と姿を消した座吾朗。座吾朗は何故そこにいたのか。また、どうやって抜け出したのか。その後の殺人事件の動機とは。雲上都市で起きた事件に挑む二人の探偵。彼らもまた何やら怪しげな雰囲気を醸し出す。美形で秀麗、その上派手な荒城咲之助、その名を騙って現れた学生服に義手の真野原玄志郎、この二人は果たして謎を解き明かせるのか。時代は昭和二十七年、テレビ放送が始まる前夜であった。

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夜を守る

伯母の葬儀で福岡に行っていた。あんなに元気だった伯母が亡くなったのは、歳が歳とは言え残念だ。子供の頃にはよく遊びに行ったものだ。一人になった伯父が寂しそうにパイプを燻らすのを見ると、福岡へ行った時には必ず連絡しなければなるまいと思ってしまう。それにしても、集まった親戚の話を聞いていると、戦中から終戦直後の人の出会いと云うのは何やら不思議な縁があるようで興味深い。伯母様を悼みながら近くを散策していたら、山岡鐡舟所縁の寺など既に桜が咲き始めている。刻の流れは早い。さて、本でも紹介しようと思うが、最近ご無沙汰していたので、石田衣良氏のものにしてみよう。

場所はアメ横、4人の若者たちが繰り広げる物語は、Ishida01石田衣良氏の「夜を守る」(2008年2月20日第1刷発行、双葉社)。増井信という老人と出会ったことから、川瀬繁、橋本直明、服部要、岡田由紀夫の4人は、アメ横界隈の夜を守ることになった。とは言え、放置自転車の整理や酔っ払いの世話など区役所の福祉課の仕事みたいにぱっとしない。それに、ストリートネームがアポロ、サモハン、ヤクショに天才だし、揃いのカッコは青いベレー帽に青いスタジャンときましたよ。それが、福島なまりのイケメンやらストリートネーム付けてもらって喜ぶヤクザさんとか色んな事件に巻き込まれるのでありました。こんなガーディアンがいると良いなと云うことでしょうか。池袋、秋葉原、アメ横とくると、次は谷中かな。谷中墓地の桜はまだですが、普門山全生庵の桜は写真の通りです。

Sakura2008

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紳士たちの遊戯

先週後半花粉症のない所へ行っていた。開放された気分だった。当然ながら現状は元の木阿弥である。日曜の夜に帰ってきたのだが、疲れていてブログは書けなかった。帰りの便の中で読んだ最後の小説が外れだったことも大きな要因である。最近、手に取ってみたい小説が出てこない。未読作品消化月間なのだろうか。埋もれていた中には面白いものもあったりして、これはこれで良いのだが、少々寂しい。そうそう、山口芳宏氏の「運上都市の大冒険」もなかなか好かった。いずれ紹介しよう。さて、機上で読んだ本でまずまずだったのは以下の通りである。ハヤカワ文庫と言っても、青背じゃないところが何とも言えない。

まずは、タイトルに書いたHarris01Joanne Harrisの「GENTLEMEN & PLAYERS(紳士たちの遊戯)」(古賀弥生訳、2008年2月25日発行、ハヤカワ文庫)。Joanne Harrisは映画「ショコラ」の原作者である。伝統ある男子校セント=オズワルド校で次第に大きくなっていく事件の謎。ラテン語の老教師ロイ・ストレートリーが雰囲気を盛り上げる。次に、T.M.Jenkinsの「THE WAKING(死者覚醒)」(熊谷千寿訳、2008年2月25日発行、ハヤカワ文庫)。医師ネイト・シーハンは2006年に殺害される。それから67年、ネイトは他人の体と結合して生き還る。頭部だけの冷凍保存なんて云うのはたいした話ではないのだが、67年後の世界の変貌、その間のネイトを巡る陰謀がそこそこかな。どちらの作品も「未来は現在によって獲得される」(死者覚醒より)と云うところか。

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五十嵐貴久氏の「相棒」

日暮里駅から歩いて帰るなどと云う愚を行なったがために、昨日来花粉症が一気に酷くなってしまった。そこでだ、そろそろ畠中恵さんの「こころげそう」を紹介するだろうと思っていた人をはぐらかすことにした。あまり他意はない。まァ、トリッキーと云う意味では鳥居否宇氏の「官能的 四つの狂気」でもよかったのだが、どうせやるなら、ここまで奇想天外な方が好いだろう。と云うことで、五十嵐貴久氏の「相棒」(2008年1月29日第1版第1刷発行、PHP研究所)を紹介することにいたしましよう。「安政五年の大脱走」もなかなかのものでしたが、ここまでいくと、それはそれで清々しいとも言えるのではないでしょうか。しかし、両者のファンがどう思うのか心配なところではありますな。

「それにしても、お二人がお揃いというのは・・・・・・・・意外といえば意外」、Sakamoto_3なんてもんじゃありません。Hijikata01_2坂本龍馬と土方歳三が二人して歩いているなんてことが想像できますか。大政奉還を巡り徳川慶喜が暗殺されそうになったことから、こういう事態が起こるのですが、多分、土方なら「そんな馬鹿な話があるか」と怒鳴る。「ほにほに。じゃが、大法螺はまっこと気持ちがええもんじゃ」と龍馬が言い、「おいにはわかりもうさん」と西郷どんが言うのかも。昔のこととて誰にも真相は分かりませんが、最後の最後まで本当に空前絶後の…(笑)。これは読んでみなくちゃなりません。

さて、事の序に2月書籍ランキングも出しておきましょうかね。なんせ花粉症が鬱陶しいので手抜きです。

01.オリオン座からの招待状
02.三国志
03.狂犬は眠らない
04.反逆の月
05.ゴールデンスランバー
06.魔法の国ザンス
07.ブラックペアン1988
08.ダーク・タワー
09.ダンシング ヴァニティ
10.ホルモー六景
12.天切り松
13.チーム・バチスタの栄光
14.いのちのパレード
15.逆襲の地平線

因みに、「オリオン座からの招待状」は検索件数62(1.6%)でした。ある映画館では、館を閉めるにあたり最終上映作品のアンケートを取ったところ、「オリオン座からの招待状」が1位となり、宮沢りえさんも挨拶に来たそうです。

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