大統領特赦
今朝は酷い雨だった。愛犬が散歩は嫌だと言うので、運動不足である。雨上がりの夕方、近所の桜はどうだろうかと思いながら根津から歩いてきた。前を歩く親子連れ、お父さんと小学校低学年前後の兄弟が話していた。「ねぇ、お父さん、ウルトラマンは何歳なの?」、「あァ、確か40年前に生まれたな」。噛み合っているようないないような。好いことにしよう。こちらは桜が心配である。「春雨の降るは涙か桜花ちるを惜しまぬ人しなければ」(古今集、大友黒主)なんてことにはなっていなかった。まだ蕾である(下に写真有)。今週には満開だろう。ところで、北陸・能登半島で大きな地震があったようだ。被害が大きくなければよいが。
今日は徒然に書いている。ところで、「蟲師」は好い滑り出しである。昨日は大友監督にオダギリジョー氏や蒼井優さんも来ていた。何回か見なければ解らないと云う人もいるが、総じて好感触のようだ。一回で解らない人は是非何度も見て欲しい。なんせ最初に出会ってから公開まで約2年が過ぎた。時間が掛かるものだ。加えて、0号試写の時に感想を書きたかったのだが、O氏が早過ぎるので絶対ダメだと言う。書きそびれてしまった。一度機会を逸すると、なかなか書けないものである。そう、やっと本題に辿り着いた。John Grishamの「THE BROKER(大統領特赦)上・下」(白石朗訳、新潮文庫、平成十九年三月一日発行)を紹介しよう。書きそびれたまま、最近ほったらかしにしている作品が多い。早目に書いておこう。
お粗末な大統領が出てくる。アーサー・モーガン前大統領。本人のせいだけじゃないのだが、これだけ歴史に残るような選挙での惨敗はなかなかないだろう。アラスカ州の三票じゃ「総崩れというお決まりの表現では追いつかないほど完膚なきまでの大敗だった」。そのお陰で、ジョエル・パックマンは無条件特赦を受けたのだった。元弁護士にして大物ロビースト。元「大企業や外国政府のための売春窟」の主。「一部の隙もなく細部まで入念に仕立てられたイタリア製の黒いスーツを着こなし、およそ人間としては最上級のうぬ惚れをのぞかせた顔」だったジョエル・パックマンは最新軍事衛星システムJAMを巡る疑惑によってランドリー連邦刑務所の独居房にぶち込まれていたのだった。いけ好かない野郎に、なんて幸運がと思いきや、これが大変な逃走劇の始まりだった。
パックマンに恨み骨髄のテディ・メイナードCIA長官。これは執念深い。ロシア、中国、イスラエル、その他どこがパックマンを殺すのか確認する為に特赦を図ったのだから堪らない。言葉は解らない、パスポートはない、金はない身でイタリアに行かされたパックマンは一体全体どうなってしまうのか。唯一の救いは、「自分のイタリア語学習のほどを思い知らされることになった」なんて言いながらも、しっかりと語学学習の先生を与えられたことだろうか。そう、フランチェスカ・フェッロにも出会えたしね。それにしても、「ワシントンの弁護士のうち半分は、最寄りの裁判所のありかさえ知らない手あいだ。そのくせ、連邦議事堂に迷いっこないときている」とは参ったね。
当然ながら今日も本屋に寄った。ふと見ると「そんなに読んで、どうするの?--縦横無尽のブックガイド 」(豊崎由美氏著)と云う本が目に入った。中身のことは知らない。「某大作家先生が激怒した伝説の辛口書評を特別袋綴じ掲載」なんて表紙に書いてあった。「現在では一般社会で行なわれているように隣人が隣人を見張るという監視社会になったから評論家たちも自分たちを『負け組』と認めたくないばかりに作家に対する監視態勢を取っておる」(「巨船べラス・レトラス」より)を思い出してしまった。とかなんとか云うことはさておき、では次は、Jeffrey Archerの「ゴッホは欺く」(新潮文庫)かRobert Goddardの「眩惑されて」(講談社文庫)かな。
実は犬の散歩から帰ってきたところである。花粉のど飴を舐めながら歩いていたら、宮部みゆきさんの「あかんべえ 上・下」(新潮文庫、平成十九年1月1日発行)じゃないけれど、飴を喉に詰めそうになってしまった。夜道は気を付けましょう。帰ってきたところで、Jさんに戴いた「Make:technology on your time」(O'REILLY オイラリー・ジャパン)をまた眺めている。なかなか面白い。ジャンクロボ「マウシー」もいいけど、「すべての家庭に(常温)核融合炉を」か。ガレージを改装したLENR研究室が好いな。「日本の香り」(コロナブックス、2005年9月24日初版第一刷発行)も興味深い。少々の運動に読書、花粉症から来る頭痛には最適である。
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