雷の季節の終わりに
昨日の冷たい雨が嘘のようだ。今日はやっと秋が来たような按配である。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行)なんて今頃考えてしまう。まァ、晴れているのは良い事だ(今日は1953、53なのだから。解らないでしょう、笑)。良い事なので、一つジョークでも紹介しよう。早坂隆氏の「世界の日本人ジョーク集」(2006年1月10日初版、中公新書)からの抜粋である(少々端折っている)。「豪華客船が沈みだし、船長が外国人乗客に指示した。アメリカ人には、飛び込めばあなたは英雄ですよ。ドイツ人には、飛び込むのが規則となっています。フランス人には、飛び込まないで下さい。日本人には、みんな飛び込んでますよ。」だとさ。でも、「みんな歩きながらケイタイは見てませんよ」と言っても、ダメだろうな。
何だか紹介しようと思っている本とかなり話がズレてしまった。しょうがないか。いずれにせよ、「やがて新しい季節が訪れる」のだから。と云うことで、恒川光太郎氏の「雷の季節の終わりに」(平成十八年十月三十一日初版発行、角川書店)を紹介しよう。「夜市(よいち)」(角川書店、平成十七年十月三十日初版発行)の世界へとまた誘われる。そこは「風わいわい」のいる世界。うつしよと雲海の楽園との曖昧な境界なのか。そこは「穏(おん)」。雷季、雷の季節のある土地。雷鳴、稲妻のなかで何が行われているのか。つきまとうトバムネキ、百年も昔の異界の話はどのような結末になるのか。佐竹茜に連れられた草間賢也にとって、そこは薄暗い記憶の世界なのか、色とりどりの光を発している泉なのか。Stephen King 「ダーク・タワー」の<雷鳴>とは違った夢と現が螺旋階段のように進む物語。
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