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文庫本の紹介-棚卸

紹介しようと思っていた本が溜まってしまった。あまり溜まると部屋が片付かない。本日は文庫本の一部をまとめて紹介することにしよう。誰かさんみたいに何千冊もの本を一挙に整理するような勤勉な性格ではない。取り敢えず目の前に少しでも空間が生まれると嬉しいのだ。久々にTom ClancyのOP-CENTERシリーズ「聖戦の獅子」も出たことだし、早く読まなくちゃ。

ではまず、魔法ものからいってみよう。

■Mercedes Lackeyのヴァルデマールの風Ⅰ部「WINDS OF FATE(宿命の囁き上)」(2003年11月28日初版)及びⅡ部「WINDS OF CHANGE(失われし一族上)」(2006年1月31日初版)、(山口緑訳、創元推理文庫)

Lackey01魔法使いを探す旅に出たヴァルデマール国王女エルスベスと<鷹の兄弟>ク=シェイイナ族の<暗き風>を中心としたⅠ部、Ⅱ部である。「あのどうでもいい生意気な質問を」するような気の強いエルスベスと「あいつは、自分の両手でできるときは、決して魔法の力に頼らない」と云う少々内省的な<暗き風>の恋と冒険の物語。若いと云うことは好いことです。「怒涛のような嫉妬」はするし、『誰でも生きていれば一度は愚か者になる』ようです。なお、なかなかに気味の悪い悪役モーンライズ<隼殺し>と云う魔法使いや「感じがよく、それらしく見えて-全く別の人間でなければならない」なんて具合の裏切り者も登場、トレイヴァンやハイドナと云った鷲獅子(グリフォン)も出てきます。なお、本作品はⅢ部作だそうです。

■Craig Show Gardnaerの「A MULTITUDE OF MONSTERS(魔術師エベネザムと詩を詠む悪魔)」(冬川亘訳、ハヤカワ文庫、2006年6月15日発行)

Gardnaer01魔術師エベネザムと不肖の弟子」の続編です。偉大な魔法使いエベネザムは不肖の弟子ヴァント坊と盛大な魔法鼻炎症に苦しみながら悦楽の都ヴァシタへとまだ向かっている。連れも悪い。「運命だ!」と叫ぶ騎士ヘンドレックに真実しか話せないデーモンのスナークス。これに、妖精ではないと息巻き彼らの社会的権利拡大を目指すブラウニーまで加わって、旅はまたもや大混乱。グリフィンが議長を務める神空幻民連盟まで現れる。字余りの詩を詠む鉤爪庵ガックスクス率いる地底界多重地獄軍団との戦いはどうなるのか。まァね。学術団体はコケにし、「充分な支払い」に固執するエベネザムのこと、Ⅲ部までは無事でしょう(これもⅢ部作だそうです)。

では、お次は革命ものへと続きます。本当かいな?

■Steven Brustの「TECKLA(虐げられしテクラ)」(金子司訳、ハヤカワ文庫、2006年7月15日発行)

Brust01「暗殺者ブラド・タルトシュ」シリーズ第3弾です。「勇猛なるジャレグ」、「策謀のイェンディ」の続編です。循環位(サイクル)によると「おびえるテクラは草むらに潜み」と云うことになっております。何と言いますか、ブラドの妻カウティが革命家もどきの地下組織に参加してしまうのですな。人間とドラゲイラ族のなかで最下層のテクラが手を結ぶ。殺し屋のブラドは思い悩むのだが、そこは殺し屋。「あの連中はどこかおかしいって思わないか?」とは言うものの、妻の身を案じて事件に引き摺り込まれるのではありました。あァ、何と夫は弱いのか!結末は如何に。

■Charles Strossの「SINGULARITY SKY(シンギュラリティ・スカイ)」(金子浩訳、ハヤカワ文庫、2006年6月30日発行)

Stross01_1何だか訳の判らない「フェスティバル」というものが「ロヒャルツ・ワールド」にやって来た。しかもだ。「楽しませてくれたら、望みのものをなんでもさしあげます」とか話す携帯電話をばら撒く。どこかのIT企業みたい。特異点は越えるのか?なんてね。話を戻すと、活動家はたちまちにして武器など手に入れる。「ポスト技術社会の政治経済に関するポスト・マルクス主義理論」なんてものの見返りにね。話はそればかりじゃなくて、「フェスティバル」の行為を攻撃と見做した新共和国イワン・ハシェク三世皇帝陛下は宙軍機動艦隊を遠征させた。しかし、艦隊を率いるクルツ提督は惚けてるし、戦いを阻止しようとする国連外交情報部特殊作戦班のレイチェル・マンスールや何らかの秘密を有するマーティン・スプリングフィールドも搭乗する。このほかにも、因果律侵犯を妨げようとするエシャトンなるものもバックに存在するようだ。さて、物語はどうなるのか。秋の夜長、眠りたくない方にお勧めの作品でしょう。

いやはや、ものぐさな私は、20分も経っていないのに既に飽きてきた。あとはいい加減な紹介でもしようかな。

■Alastair Reynoldsの「CHASM CITY(カズムシティ)」(中原尚哉訳、ハヤカワ文庫、2006年7月31日発行)

Reynolds01オイ、文庫本でこの厚さはないだろう。と思ったら、「Revelation Space(啓示空間)」の外伝だそうだ。外伝と言っても、殆ど関連性はない。時々人や場所が同一ではあるが、ひたすら外伝だと云うだけである。因みに「啓示空間」は1032頁であったが、それを凌ぐ1128頁である。講談社文庫も厚いのが好きだが、京極夏彦氏の作品や「覇者の誤算」(立石泰則氏著、1997年2月15日第1刷発行)など大概1000頁弱である。ハヤカワ文庫の勝ちかもしれない(笑)。内容はと云うと、これがなかなかに面白い。多重構造化した…、やめておこう。異形の都市カズムシティを舞台に謎のウィルス「融合疫」を巡る話は息もつかせぬ展開となっている。残念ながら手は疲れる。

■Poul Andersonの「EARTHMAN'S BURDEN(地球人のお荷物)」(稲葉明雄/伊藤典夫訳、ハヤカワ文庫、2006年8月31日発行)

Anderson01なんてバカバカしいのだ。バカバカしくて好いじゃないか。主人公惑星トーカのホーカ人がテディベアみたいと云うのが今一つではあるが、書かれた年代(1951年~1957年)が年代だし面白さに免じて勘弁して上げよう。しかし、脇役のアレグザンダー・ジョーンズも十分にお荷物だし、その奥さんのタニはもっと酷い。その辺も含めて笑ってしまおうじゃありませんか。ホーカ・ユーモア・シリーズとなる模様。

や~めた。飽きちまっただよ。やっぱり20分が限度だね。「ダーク・タワーⅥ」や「エラントリス 鎖された都の物語」はまた今度。それにしてもハヤカワ文庫在庫一掃セール第一弾でした。

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Comments

うらやましいからといって人を枕に使わないでくださいな(笑)。ハヤカワJ-コレクションで小川一水さんの新作でましたよ。

Posted by: じん | Sep 04, 2006 at 11:08

じんさん、こんにちは
やっぱり、ご自身のことだと気が付きました(笑)。どうせ整理する場所もないので、羨ましい訳ではないのですが、でも良いよなァ。片付けると言っても、机の脇から廊下の脇ですものね。あ~ァ。ところで、小川一水氏の「天涯の砦」、山田正紀氏の「カオスコープ」など購入済みなのですが、文庫本以外になかなか読む時間がなくて。dより

Posted by: dawn | Sep 04, 2006 at 11:28

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