勇猛なるジャレグ
■Steven Brustの「JHEREG(勇猛なるジャレグ)」(金子司訳、ハヤカワ文庫、2006年1月31日発行)
私は香が好きである(娘に貰った香炉は下の写真。私には可愛らし過ぎるような気もしないではない。笑)。最近は「法隆寺献納国物の白檀香」(東京国立博物館にて購入)などを焚いている。煙が立ち上る様はなかなかに好い。匂いと相俟って気持ちが落ち着く。ところで、香(かおり)には色々なものがある。
なかでも抗し難いのがカレーの匂いである。空腹時に嗅ぐと必ず食べたくなる(会社の前がカレー屋さんなんだな、困ったことだ、笑)。それにしても、日本で最初のカレーの材料にカエルが入っていたのには驚いた(「西洋料理指南」~敬学堂主人著、明治5年発行)。そうそう、鼻を摘まんでいると、カレーを食べてもカレーの味はしない。不思議なものだ。
この作品のなかに「室内には煙がたちこめはじめ、香のにおいが充満している」なんてところが出てくる。ご紹介しようとした矢先、つい香を焚きたくなってしまった。
「ジャレグ」とは何だろう。「ジャレグは腐肉のおこぼれをあさる」なんて「循環位(サイクル)」(本書では重要)には書いてある。小さな竜に似た生き物らしい(右の香炉とは似ても似つかないようだ)。しかも、それはドラゲイラ族の或る一家の名称でもある。他にツァー家、フェニックス家やドラゴン家など合わせると17家あるらしい。しかしながら、本書の主人公はドラゲイラ族ではない。東方人にしてジャレグ家準男爵の位を金で買った呪術師にして殺し屋のヴラディミール(ヴラド)・タルトッシュ。奥方も元殺し屋のカウティ。肩にはジャレグのロイオシュを乗せ、相棒には目立たないくせに口の減らないクレイガー。こりゃ、面白そうだと思いませんか。
ヴラドはジャレグ家評議会ナンバー2の悪鬼(デーモン)から「かなりぞっとしない」殺しの依頼を受ける。クレイガーも「ヴラド、相手はただ者じゃない。…」と言っちまう。そう、「あらゆる者は捕食者である」のであって、「まことの英雄行為とは、注意ぶかく計画され-そして周到に回避されるものにほかならない」のかもしれない。それはどんどん悲惨な話(ヴラドにとってだけどね)になってきて、「暗き深みに隠れていたものがあらわになり、…」ってことになるんだなァ、これが。この作品、既にシリーズ化されており、9巻まで出ているそうだ。さァて、「暗殺者ヴラド・タルトッシュ」シリーズになるのか、それとも「ドラゲイラ帝国物語」シリーズになるのか、それは今後のお楽しみ。なんて、シリーズものは嬉しいね。
ところで、三成21さんからの書き込みで「不条理な散歩」を思い出した。そこで、早速に散歩に出たのだが、まずは暖かい陽射しのなか、ネコがいた。右の写真なのだが見付かるだろうか。そこで、昨年と同じことをするのは止めて、今度は「見えない散歩」に切り替えることにした。何が「見えない」かって。写真を撮らずにぼーっとお散歩しただけですよ(笑)。今日は正月以来のお休みなのだ。ぼーっとしているに限ります。
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Comments
dさん、「おはようございます。」
「(神のお告げ)存在」を信じて観察すれば、確かに学童標識の「下方+前方」に、まさに横断直前にdさんの方を覗っている「デフォルメ・キャット(写真拡大)」が・・
「香(臭、匂)」で思い出すのは
ポスターの「総天然色」なるキャッチフレーズに胸躍らせた小学校時代・・先生の「いずれは映画にニオイがつくであろう」の発言・・
単に「音→色→ニオイ」の順序なのだろうが拙者は通常有り得る「ニオイ→記憶の蘇り」ではなく「音→記憶の蘇り→ニオイ」を体験しました。
その意味では、映画に「ニオイ(香!匂!臭?)」をプラスする技術開発が「観客動員」の要と成る日も・・しかし、その前に「立体ビジョン」ですよね・・
<なかでも抗し難いのがカレーの匂い・・
<会社の前がカレー屋さんなんだな、困ったことだ、笑)。
に、拙者、渋谷のガード下に出没した「いそべ焼き屋台」のうら若きお姉さんが、餅を焼く合間に、それとなくヘラで「醤油タレ」だけを鉄板の上にトントンと垂らし「香りを振舞う仕草」にふらりと立寄る一杯帰りのサラリーマンを見かけ、今更ながら「ニオイ=絶大なる宣伝効果!(笑)」と再認識いたしました。
Posted by: 三成21 | Feb 12, 2006 at 07:11
三成21さん、「いそべ焼き屋台」にふらりと立ち寄るサラリーマン、それって私じゃないですか。そうか、お姉さんに操られていたのか。あの匂いにもなかなか抵抗できないなァ(笑)。dより
Posted by: dawn | Feb 12, 2006 at 12:18