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夜市

■恒川光太郎氏の「夜市(よいち)」(角川書店、平成十七年十月三〇日初版発行)

今日は「スクールデイズ(school daze)」の公開初日だった。守屋健太郎監督はじめ、森山未來君、金井勇太君、忍成修吾君、市川由衣さん、いとうまい子さん、小林且弥君が舞台挨拶をした。森山未來君や市川由衣さんの人気だろうか、1、2回とも立ち見もぎっしりと云う状態だった。キャストの人気ばかりではなく、この作品はドイツ・エクスグラウンド国際映画祭2005「INTERNATIONAL YOUTH FILM部門」最優秀賞を受賞している(評論は「スクールデイズ」公式サイトにあり)。流石に守屋監督が2年をかけて練り上げた脚本だけはある。

ところで、以前にも書いたように、「スクールデイズ」は現実と虚構とが交錯する不思議な作品である。同様に「夜市」も現実と虚構とが錯綜しているのか。

tunekawa岬の森の中で今宵は夜市が開かれる。学校蝙蝠がそう告げた。“裕司”に誘われた“いずみ”はどうなるの? 抜け出せない夜市。この夜市には朝はない。「目をうつせば、鬼火とも人魂ともいえる炎が木々の間をふわふわと浮かびながら通り過ぎていく」のだが、決してホラーではない。山のふもとの神社。境内で開かれるありふれたお祭りの夜店。背後の真っ暗な森のなかには何がいるのだろう。子供の頃の夢、高熱に魘されつつ見る夢は、いずれは何処かに行ってしまうのだが…。裕司、今度は何を買うつもりなの? やがて夢は現実へとすりかわるのか、本当に? 

koontzそう言えば、Dean Koontzの「STRANGE HIGHWAYS Vol.3(嵐の夜)」の「夜の終わりに」の中に「あなたがくぐらなきゃならないドアだったのよ」と云う一文があった。これは、どうしてもくぐらなきゃならなかった闇の中のファンタジーなのかもしれない。

なお、同書には「風の古道」も収められている。少年時代の夏。「これにて旅は終り、帰路がはじまる」ときの複雑な心理。「八月の空は水色で、白と灰色の雲が流れていく」。歳月は流れるのだが、子供の頃の記憶はいつまでもいつまでも続いていく。誰もが現実と虚構の狭間にいるのかもしれない。まだ違う世界と完全に引き裂かれていない子供の感性は、今の我々とは異質なものなのだろうか。それでも、時々胸の奥に去来し、déjà vu の世界へと我々を誘う。二篇とも素晴らしい。

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Comments

Dawnさんこんばんは。ホラー大賞でといえば「パラサイトイブ」です。こんな「ホラー」もあるのかと感心したことを思い出します。「夜市」さっそく読んでみます。
昨夜の町(師走+金曜日+六本木)はバブル時代のデジャブなのか?。現なのかそれとも幻なのかと思いつつタクシーを探してトボトボと・・・・・(^^;。


Posted by: 高円寺 | Dec 10, 2005 at 23:51

高円寺さん、こんにちは。
Stephen Kingなんかのホラーと比べると、「夜市」はホラーとは言えないかもしれません。ホラー・ファンタジーですかね。
それにしても、久々のラビリンス。私もタクシー拾えず、しょうがないので知り合いのパブで暫く時間調整して帰りました。デジャブ感が有り過ぎましたね(笑)。dより

Posted by: dawn | Dec 11, 2005 at 13:04

♪どうも、リクエストにお応えいただきありがとうございます。
ホラーファンタジーですか、娘へのお土産に買って帰ろうと思います。
小道具のエントリーに触発されて、ガ島さんへのプレゼントは読書グッズにしようと考えています、笑。

Posted by: あざらしサラダ | Dec 11, 2005 at 19:55

あざらしサラダさん、こんばんは。
お嬢さんへのプレゼントとは好いですね(^^)。実は昨日が私の誕生日、娘たちからプレゼントをもらいました。プレゼントは幾つになっても嬉しいものです(笑)。
ガ島さんへのプレゼント、読書グッズは良いかもしれませんね。さてと、どうしようかな。dより

Posted by: dawn | Dec 11, 2005 at 21:10

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