西の善き魔女7
■荻野規子さんの「西の善き魔女Ⅶ(金の糸紡げば)」(中公文庫、2005年10月25日)
第6回ホームエンターテインメント産業展の講演会資料は出来上がった。あとは筑波大学院助成講座の講義資料を仕上げなきゃ。とは思うのだが、少々疲れたな。とか何とか言いながら、お休みお休み。
そう言えば、先週の日曜日は山形に行ってきた。山形新幹線には初めて乗った。結構な時間が掛かる。2時間半だった。まァ、町田康氏の「東京飄然」(中央公論社、2005年10月25日初版発行)と課題の原稿を抱えていたので、気分的にはあっと言う間ではあった。「東京飄然」を読んで、内田百閒氏の「第一阿房列車」を読み返したくなった。
山形駅を降りると小雨混じり。どんよりとした空だった。言われていたほど寒くはなかったが、東京に比べれば寒い。今回の舞台である「セラフィールド」も、こんな感じかな。いや、多分、男鹿半島のイメージだろうか。男鹿半島の突端にある灯台とセラフィールドの天文台のイメージがダブル。寒い地方と云う意味では五十歩百歩なんて言うと、山形の人たちに怒られそうなので止めよう。ところで、「神無月風に紅葉の散る時はそこはかとなく物ぞかなしき」(藤原高光)なんて歌があるが、今年は暖かいせいか、山形の紅葉も今が盛りではあった。と同じように、フィリエル・ディーの廻りでは、「秋の異変」とか言っても、なかなかに騒々しい。ルンペルシュルツルツキン、あのルーンが現れるのだった。
そう、今回の話はフィリエルがまだセラフィールドで暮らしていた頃の話。その後のお話のように、やっぱり「何ごとも深刻には受けとめられなかった。明日の憂慮は明日にすればよく、今日すばらしかったことに、水をさす必要は何もない」フィリエルではある。しかも、「めちゃくちゃだった。彼女は結局、何も計画できなかった」なんてところも、随所に出てくる。しかし、ルーンが(ここで暮らすんだ……)とかみしめるような、セラフィールドの自然と、そのなかの子ども達二人の生活。ホーリー夫妻の優しさとディー博士の研究への没頭と孤独。その後の「ソウダイなこと」の前の静けさが漂う。宝塚風ではありませんでした。
ところで、セラフィールドの子ども達も可愛いが、山形で結婚式を挙げたT君、Yさんも、これがどんよりした空なんて吹き飛ばす明るさ。嬉しそうで、いいですね。それにしても、今年これで数回目の主賓挨拶だったが、その度に「うっ…」と一瞬詰まるほど、どの奥様も美しい(旦那はどうでもよいのだが…、羨ましい限り)。お陰で話すことを忘れるじゃないか(笑)。皆さん、お幸せに。
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