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啓示空間

■Alastair Reynoldsの「Revelation Space(啓示空間)」(中原尚哉訳、ハヤカワ文庫、2005年10月15日発行)

先週は忙しかった。昨日は、東京国際映画祭シンポジウムで色々な方々とご一緒した。Kさんとはコンテンツマーケット2005でもご一緒であったが、先週は同じような方々と殆ど毎日、顔を合わせていたことになる。それにしても、木曜日の某社の2005-2006ラインアップ発表会は非常に感激し、今までにないほど緊張もした。なんせ、約550名もの映画関係者の方々の前で、しかも監督の方々が話をされた後に、世界でも初めてと云うものを発表したのである。控え室ではS監督に「緊張してるからね、でもピース(両切り)だよ」と言われながらも、タバコを一本頂き(でも味はよく判らず)、壇上で主催者と握手するときには、掌が汗でべったり(ズボンで拭いてしまいましたね、笑)。普通、講演等では緊張しないんだけどねえ。

今日は、本屋へ行ったり、読書(?)をしたり、その合間に来週の講義資料の整理を少々と云う感じで暫くぶりにのんびりした。来週も会合や出張など多いが、能動的なイベントはJASRAC基礎講座「映像コンテンツと諸問題」の講師しかないしね。再来週以降、特に11月以降はまた大変なので、生気を養うことも必要だろう(言い訳、言い訳、笑)。そうそう、本のご紹介もしなくっちゃ。

kiri-fallさてと、どの本の紹介をしようかな。今日は大変良い天気だった。久々に大きく空を見上げてしまった。この青い空の向こうに何があるのか。天国まで行ってしまうと困るので、「椿山課長の七日間」や「天の前庭」などは止めて、漆黒の宇宙程度(程度にねぇ。我ながら何といい加減なんだろう、笑)に止めてみよう。そう云うことで、一応、「啓示空間」にしてみました。一応ね。

revelationこの作品の世界では、Robert A. Heinleinの「I will fear no evil(悪徳なんかこわくない)」(ハヤカワ文庫、1977年11月30日発行)のような脳の移植手術なんて必要ないのだ。ダニエル・シルベステは、ベータレベル・シュミレーションのカルビン・シルベステには思考に入られるわ、ベータレベルは「とにかくわしにいえることは、わしは思う、ゆえにわしは怒るのじゃ。心底な」なんて宣うわ。まァ、何ともご愁傷様でございます。しかし、このベータレベル、面白いことも言っている。「おぬしには理解できぬであろうが、唯一無二の存在であるがゆえに、わしはコピーを作成されることに断固反対する。コピーをとられるたびにわしの価値が下がるからじゃ。ただのモノになってしまう」なんてね(「単なるデータ」のくせに著作権を主張するマスコミよりましか、笑)。

いやいや、それだけじゃない。殺し屋のアナ・クーリは、頭のなかにマドモワゼルが出てきて、「私の頭のなかから出て行け。こんなのは契約にないぞ」と想像する。マドモワゼルに「まあまあ。契約なんて最初からないのよ。あるのはただ-なんていえばいいかしら。淑女協定?」と言われるだけだけど(淑女協定なんてね、あって無きが如きものでしょうけど、笑)。いずれにせよ、「人の脳の記憶格納パターンは、何世紀もかけて何百億人もの精神を調べることで、構造とそれに対応する経験を結びつける統計モデルができている。…複雑な記憶が組み立てられるもとになるそれらの機能ブロックは、クオリアと呼ばれる」なんだってさ。私のような精神分裂症気味の人間はどうしたもんでしょうね(笑)。

おっと、こんなことばかり話していると、こりゃ何処が宇宙の話なんだ、なんて言われそう。謎の空間シュラウドとは何か。ノスタルジック・フォー・インフィニティ号が向かうケルベロス星、中性子星ハデスとは。とか、ちゃんとした宇宙の物語なんですよ。難しいことも書いてある。「未来からやってきた粒子がもたらすごくわずかな外的圧力が、重力崩壊を遅らせる。…この因果律ショックのさざ波は、やってくる粒子とぶつかって、因果律干渉のグリッドを形成する」~うんぬんかんぬん。aoike01まァ、そんなことはいいとして、インフィニティ号内での恐ろしい戦いなどもあり、息をつかせぬ迫真の宇宙SFなのであります。ただなァ、ハヤカワさん、登場人物等のイラストは不要ではございませんかねぇ。

ところで、漸く読みました。青池保子さんの「エロイカより愛をこめて32-No.21ケルティック・スパイラルPart.1」(PRINCESS COMICS、平成17年10月15日初版発行)。ケルトの話ですよ。「ケルトの歴史は約三千年もの長い間にヨーロッパの文化に深く浸透している」のですよ。なんて言っても、ロレンスじゃね(笑)。

okano02それと、岡野玲子さんの「陰陽師13巻太陽」(夢枕獏氏原作、白泉社、平成十七年十月四日第一刷発行)。完結編ですよ。「安部晴明、百鬼百神ヲ懐柔ス」と帯には書いてあるのですがね。難しい。私には今一つ解らないよう。もう一回、読まなくちゃなりませんなァ。ハハハ…、今日は読書と云うか何と云うか(読書じゃないか、笑)、まァ、たまにはコミック三昧も良いのではないでしょうか。

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Comments

お久しぶりです。
「エロイカより愛をこめて」と聞いてすぐに思い出したのが「パタリロ」です。
うーん、昔は「貸本屋」で借りてよく読んだなあ、笑。

Posted by: あざらしサラダ | Oct 23, 2005 at 20:21

あざらしサラダさん、こんばんは。
ご無沙汰してます。とか言いながら、今日のあざらしサラダさんの一挙公開エントリーは拝見してます。後でコメントをと思いながら、先にコメント頂いて恐縮です。
でも、エロイカでパタリロは少々、エロイカや少佐が可哀相な気もしますが(笑)、まァ、貸本屋の話題であれば已む無しでしょう。そうなのです。日本には貸本と云う文化があるのです。本に「貸与権」は不要です。dより

Posted by: dawn | Oct 23, 2005 at 21:43

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