「魔法の国ザンス」16
■Piers Anthonyの「Demons don't dream(魔法の国ザンス16「ナーダ王女の憂鬱」)」(山田順子訳、ハヤカワ文庫、2005年5月15日発行)
魔法の国ザンスに出会ったのは20年も前になる(魔法の国ザンス1「カメレオンの呪文」)。私は怪我のため入院してたんだ。まだ手術後の影響も抜けない頃、お見舞いの一つとしてもらったのが魔法の国ザンスだった。脊髄麻酔の影響で大抵は眠ってた。しかも、そんな状況なのに、担当医は私に囲碁の相手をさせるわ、私の頭はふらふら状態。もう時効だからしゃべってしまうが、この先生は無類の囲碁好き。私の診察なんてそっちのけ。「君、囲碁は出来るかね」と質問する。私が「ええ出来ますよ」と答えると、この先生、看護婦が「先生、まだ診察が…」と言ってるのをじろりと睨み、「おい、囲碁を持ってきてくれ。あ、それから、患者が寝たまま出来るように低い台な」なんて宣うのだった。
魔法を持たない人間ビンクが、魔法の世界で魔力を探しに冒険をするのと同様に、私も怪しげな医者やタバコを勧める変な看護婦に取り巻かれ(「イン・ザ・プール」の医者や看護婦ほどではないけどね、笑)、ザンスの世界へと踏み込んだのであった。今から考えるとあな恐ろしや。めたかさんが書いてる「インフォームド・コンセント」なんてね、マンダニア(我々人間の世界)に置き忘れ。短い食事、読書少々、数回の囲碁、長い眠りの繰り返し。携帯なんてなくて良かったよ。
なんせ魔法と駄洒落(相当酷いよ)の国ザンスでざんす(古いね)。『「…くだらないダジャレでもなんでもありなのかな」「批評(critic)草のためにね」…「クリチック草は知的なダジャレにはついていけないくせに、自分たちになにかが欠けているとは思いたがらないの」「批評家なんてそんなもんだよ」』なんてね。それ以後、虜になっちゃった。20数年間に16冊も出るんだから、世界的に人気もあるんだ。<(子どもがいる前では口に出来ない)おとなの陰謀>に関する示唆に富んだ教訓(?)も多々あるし(笑)。
さて、今回のお話は「コンパニオン・オブ・ザンス」と云うゲーム仕立てだ。「ともすると、その手がナーダのほうに動きそうになる(マンダニアの典型的なタイプの男の子、O君、君みたいな奴かもね)である十六歳の男の子ダグと、「<おとなの陰謀>のことならなんでも知ってる。私の学校、進歩的なんだ」なんて話す16歳の女の子キムの二人のマンダニア人がザンスの世界に登場。プレーヤーなのだ。
ゲームのコンパニオンとして、ナーダ(ナーガ族の王女、ザンスでいちばん魅力的で官能的な女性のひとり)とジェニー(サミーと云う猫とザンスに迷い込んだファンタジー世界のエルフ)が選ばれる。このゲームは何故企画されたのか、ゲームの目的は何なのか、はたまた結末は如何に。それは読んでのお楽しみと云うことで、若干、興味深い(?)会話を紹介致しましょう。
『「そんなふうに体を動かしてるとこ、いい眺めだなあ」(と言うダグに、)…「あなたもオールを漕げば?」ナーダはとがった声で応じた。…あとのことばは胸の内でつづけた。“そしてどこかへ行っておしまい!”』とか『(キム曰く)「マンダニアの男の子はみんな未熟だよ。だからこそ、成熟するために女の子の助けが必要なの」 ナーダは微笑した。「それはザンスでも同じ」』だとか軟らかめも多数ある。
でも、『「憎悪と無知か」ダグは畏怖の念をこめてつぶやいた。「これが偏狭を支える二本の柱なんだね。賭けてもいいけど、これは愚か者のための船でもある。…」「人々が意のままにことばを発したり、自由に考えたりするのを阻止しようとするのも、愚か者だわ。…」「けど、マンダニアにはいっぱいいるなあ。そのせいであっちはつまらない世界になっているのかもしれない」』なんて辛口もある(ねェ、某新聞社さん)。
なお、魔法の国ザンスを始めて読む方に申し上げると、全て一話完結型なので、1から順に読む必要はありませんよ(念のため)。
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Comments
お今晩わ
そーざんす。「ザンス」といえばトニー谷ざんす。「ザンス」ときたからには「お今晩わ」のトニー式でごあいさつざんす。
それにしてもまたハヤカワですか。しかも背表紙が通常のSFものと違うファンタジーものざんすね。
Demonさんは夢見ないかもしれませんがMailerDaemonさんたちはお便り書いてくれるざんす。
「メーラーだえもんさんへのお手紙」
http://daemon.m-i.jp/
SFといえば!スターウオーズが公開開始@米国!ですが、試写会にしょっちゅう行ってらっしゃるdawnさんは国内で試写会とかいったですか!ずるいーーー。オレも試写会会場行って途中退出する映画評論家や居眠りする映画評論家を見たいーー。
あれ?
( ̄□ ̄;)
Posted by: koolpaw | May 22, 2005 at 02:31
おはようござんす。私は囲碁ができないざんす。
でも息子達は新聞の囲碁欄をオセロと間違えて、私は黒と白のどちらが多いかいつも数える役を担っているでやんす。
いつか、これは「囲碁」といってね、オセロとは違うのよと息子達に教えなければいけませんが、その時は囲碁の指導をd様にお願いしたいな、と思っているでやんす。
指導料金、お安くしていただきますよう、早いうちにご連絡させていただきました!
Posted by: 小島愛一郎 | May 22, 2005 at 09:47
koolpawさん、おはようザンス(あれ! 笑)。
私は普通は途中退席しませんよ。あれは騙されたのです。私とHさんとは女性だけの試写会とも知らず、数百人の女性のど真ん中に座らされたのでした(通路にも若いオネェさまたちがヤンキー座り)。しかも女性のエロスを主題とした5部作。力なく笑ってみよう、hahahaha,ha(こんなとき、男は弱いのだ)。「おい、(スタッフの)H君、酷いじゃないか」と言ったら、「喜ぶと思ったのに」だってさ。でも、原作の女流作家の皆さんの生の顔を拝見できてよかったのは事実です。
それにしても、メーラーだえもんさんとは不思議ですね。dより
Posted by: dawn | May 22, 2005 at 11:27
小島さん、おはようザンス(皆でトニー谷、笑)。
小島さんのお子様方なら、無料で結構ですよ(笑)。一緒に遊びましょう(^^)。ついでに小島さんにも囲碁を覚えて頂きたいな。dより
Posted by: dawn | May 22, 2005 at 11:31
なんかなにげにログログシールはってあるんですけど>サイドバー
( ̄□ ̄;)
あれー?こんなシックな色のやつあったのかあ。成長するロボット型シールに変えて遊ぼうかなと思ってたけどこれもいいな。。。
Posted by: koolpaw | May 23, 2005 at 02:14
koolpawさん、おはようございます。
そう、何気にkoolpawさんのところからLogLogシール持って来ましたよ(笑)。この色・形が私のsiteには合っているような。dより
Posted by: dawn | May 23, 2005 at 06:54