「タフの方舟」1
■George R.R.Martinの「Tuf Voyaging(「タフの方舟」1禍つ星-The Plague Star-)」(酒井昭伸訳、ハヤカワ文庫、2005年4月30日発行)
この本の感想を書こうと思ったところで、koolpawさんからのコメントを読んだ。またまたハヤカワ文庫である。私も本屋の回し者と言われてはいるが、本屋に置いてない物は推薦してもしょうがない。困ったことだ。どうして、夢や冒険が売れない社会になってしまったんだろう。不快である(要するに再販委託制度が本屋からビジネスセンスを奪ってしまったのではなかろうか)。筒井康隆氏も「科学の終焉」なんて監修するんじゃないよ(これは冗談ですよ、笑)。SF&Fantasyは素晴らしいのだ。でもね、訳者が如何に「エンディミリオンの覚醒」や「知性化戦争」(両方とも私の好きなSF)に関わっていたからと言って、帯に『「ハイペリオン」の愉悦がここにある』なんて書かないでよね。
ハイペリオンは私がハンドルネーム(Dawn Hyperion)にしているように、私の大好きなSF小説である。Dan Simmonsの「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」「エンディミリオン」「エンディミリオンの覚醒」は、大いなるスペースオペラだぞ。それと一緒にしないで欲しいな。全然違うじゃないか。
でも、これはこれで気に入った。ハハハ…、いるんだこんな奴。現実の世界であったら、私なら「もっと単刀直入に話せよ、このアホタレ(いつも言われてるだろ、Y君ね。ア、君には理論がないがね、笑)」と言いたいところだよ、ハビィランド・タフ。しかも猫好き(私は犬好きなのだ)。しかしだ、第一話のスプラッタ話(少々ネタバレですいません)の顛末や如何に。読み出したときには予想も付かなかったぞ(笑)。でもね、『ハビィランド・タフはかすかに眉をひそめ、つきでた太鼓腹の上で両手を組み合わせた。「さよう、問題です」』、私だって言ってるね、「ちがう!これはたんなる問題なんかじゃない」と。
でも、これが良いのだ。何だか表面は「大男だが、物腰はおだやか、人畜無害、猫を何匹も飼っていて、人ぎらいだそうだ。…ボロい商売とは縁のない男だ。」なんて言われながら、結構したたか。これが気に入った。無表情、何考えてるのか判らない、でもゲームは強い。身近にいたら当然イライラものだが、SFの世界なら私も寛容になっちまうね。これはこれで楽しみがまた一つ増えましたよ。世の中矛盾だらけなのさ。私は単なる天邪鬼(笑)。
ところで、「ニュースフィード(=マスメディア)のコメンテーターがユーモアまじりに口にする論評は、手前に対する侮辱すれすれのものばかりです」との箇所がある。そうなんだよね。ジャーナリストは人の気持ちなど理解できない人種ですよ。この前も、私の横で某テレビ局のプロデューサー以下スタッフが遅い食事していた。JRの事故で亡くなった方々の悲劇がそこでは単なる彼らの餌でしかなくなっていましたね(うんざりして、私は食事もそこそこに席を立ってしまったが)。
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