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「悠久の窓」

■Title:Days Without Number(邦題「悠久の窓」上・下) Author:Robert Goddard (加地美知子訳、講談社文庫、平成17年3月15日第1刷発行)

久々に読むRobert Goddard、いつも思うことがある。主人公たちの気の弱さ、奇妙な思考回路、全く理解できないねと思うんですよ(この人たち、容易にフィッシング詐欺に引っ掛かるね)。でもズルズルと引き摺り込まれていくこの感触。愛読家だったメージャー元英国首相も魅せられた一人だったようだが、Robert Goddardって変な作家ですよ。時々考えるのですが、もしかしてRobert Goddardは、Arthur Bloch の「マーフィーの法則」(倉骨彰訳、アスキー、1993年7月15日発行)を忠実に小説にして、皆にマーフィーの呪いをかけてるのではなかろうかってね(メージャー元首相の例もあるしね)。

days今回のお話も、「失敗する可能性のあるものは、失敗する」し、当然、「誰もが余計なことをする」し、「出だしが悪いと、問題は指数関数的に増加する」のです。当然、主人公ニコラス・パレオロゴス(ニック)は「自分のことを真面目に考えすぎている」訳で、お父さんのマイケル・パレオロゴスも大変だった。折角、「一次資料以外、何も信じてはならない」と言ってるのに、ニックは自分以外なら何でも信じちゃう。「彼女が陰謀者だったとはかぎらない」ってね、ニック、どうしてそう考えるの!

aramataしかし、解るでしょ、パレオロゴスと云う名前。過去に何か繋がっていくんだろうなって。近年では、あちこちでテンプル騎士団が出てくるし、「ある種の遺物を、神聖な情報を保守し守っている人工遺物を探すために」って文章は何処かで見たような。荒俣宏氏の「レックス・ムンディ」(集英社文庫、2000年7月25日第1刷)に「人類にとって途方もなく重要なものを掘り出したのは、たぶんテンプル騎士団だ。」等々出てきます。

fukoもっと言うと、Umbert Ecoの「フーコーの振り子」(文春文庫、1999年6月10日第1刷)にも「テンプル騎士団の財宝や薔薇十字団に関するもので…」なんてのもあるが、これはちょっと古いね(ところで、Umbert Ecoは大変。「フーコーの振り子」はいいけどね、「前日島」なんて、読みながら後悔すること請け合い、ハハハ…、でも読んじゃうんだ)。

以上、この本を貶している訳ではありません。実は、うねうねっとし錯綜し混沌とした事実や過去との関係、何故だかそして困ったことに(私は理性的なはずだ!と思いながら、爆)、そうした諸々のことに嵌ってしまうのです。いつもながらRobert Goddardには複雑な心境にさせられます。でも、邦題名は「Days Without Number」のままの方が良かったかな?どちらとも言えないかな?アぁ、この優柔不断さ、正しくRobert Goddardの影響です(笑)。

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Comments

ども。
ロバート・ゴダード?う。知らない名前だな。。。あらすじがなんか英のミステリっぽいぞと思って検索したら・・・
http://park8.wakwak.com/~w22/goda.htm
( ̄□ ̄;)
本当に英ミステリでしたか!しかも創元からでてた人なのか!扶桑社からも。。あそこの文庫ときおり強力な良品だすからなあ。田舎の小さな本屋ではほとんど手にはいりませんが(泣)。

つーか結局おもしろいんでしょうか?オレ頭つかう英国ミステリ苦手ですー。
( ̄▽ ̄)

「筋書きにつまったら、部屋に誰かしのびこませておいて襲わせる」方式のお手軽なのばっか読んでるのばればれー。で、今頃ディック・フランシスの烈風の文庫読んでます。英国モノだと競馬シリーズくらいしかワタシの頭にははいりませーん。じさまあと何作書けるかな?棺おけに入る前に最低あと20冊はかいといてほしい(いくらなんでもそれは無理)

Posted by: koolpaw | Mar 20, 2005 at 19:41

koolpawさん、こんばんは
ロバート・ゴダード、こりゃ面白いですよ。
この無茶苦茶な強引さ、裏切りの酷さ、人の名前が憶え難いのが難点ですが、お勧めですね。
但し、マーフィーの呪いにご用心(爆)。dより

Posted by: dawn | Mar 20, 2005 at 21:29

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